中年期の危機(Midlife Crisis)

            心理学用語

 

 中年期の危機とは、同時期にさまざま変化に遭遇することで、受ける衝撃や心理的負担が過大な上に、その変化の大半が喪失や下降・衰退というネガティブな意味を持っていることから、個人の心理面では「自分の限界を思い知らされる(自己の有限性の自覚)」体験が続き、もう今までの自分(アイデンティティ)では生きられない、自分そのものの問い直しを迫られる状態をいう。

 

中年期に迎える主な変化

  • 職業における変化 : 職業的達成・昇進or挫折、仕事の上での限界感の認識

 

  • 家族における変化 : 家族構造の変化(親としての役割の減少と終結、子供の自立への挑戦と完了)、夫婦関係の見直し、老親の介護・看取り

 

  • 生物学(身体)的変化 : 体力の衰え・老化、寿命の限界の自覚、ホルモン活動の減退(閉経)

 

  • 心理的変化 : 自己の有限性の自覚


危機(crisis)とは、破局的な意味合いを指すのではなく、後半生の自己の在り方を決定する分岐点を意味し、メンタル面を始めとして様々な問題を顕在化させるきっかけとなる一方、老年期以降に向けた後半生の新しい自分の生き方を見出していくチャンスであると言われている。

 

※1:参考文献:岡本裕子編 「中年の光と影-うつを生きる―」現代のエスプリ別冊至文堂

 

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