こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーのMOMO(モモ)高橋澄子です。
暖かくなったと思ったら寒くなる繰り返しで、体調を崩しておられる方も多いのではないでしょうか。
私も季節の変わり目は、風邪をひきやすいので要注意です。
風邪をひくと誰もがうんざりするのではないでしょうか。
ところが、野口晴哉氏は「風邪をひく=自分の体を調整する自然の健康法」と説いています。
野口晴哉は、関東大震災で傷ついた人々に手をかざしたところ、多くの人たちが回復したところから治療家の道を歩き始め、古今東西の健康法・療術を研究し、野口整体といわれる整体法を確立した療法家です。
活動の後期には、病を治すことよりも人間本来の力を引き出して健康に導く自らの活動「体育」に重点を移し、心と体を一として考える独自の人間研究や、潜在意識の研究、子育て、教育などの分野にも踏み込み、多くの著作を残しています。
「風邪の効用」は、1962年(昭和37年)に初版、野口が考える風邪の正体とその対処法を丁寧に説明している本です。
風邪の効用 (ちくま文庫)
野口さんは、
- 風邪とは、自分の身体の疲れや偏りを調整する自然の健康法である。
- 人は心身の偏り疲労が限界に達したとき、それを調整すべく、自律作用として風邪をひく。
- 風邪は治すものではなく、自然に経過するものであり、自然の経過を邪魔しなければ風邪の後はたいていの場合、体が整い、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な身体になる。
- したがって、風邪をよくひけるのは、自分の体を自分で調整できる敏感で良い状態の体である。
- 療法家(整体師・施術者)はうまく経過させる手伝いをするに過ぎない。
と説いています。
「風邪を引く=病気」という一般的な見方から「風邪をひく=自分の体を調整する自然の健康法」
日本古来の野口整体と西洋医学の捉え方の違いが面白いですね。
確かに、注意深く自分の体の変化を観察していると、風邪の後は、体がリセットされた感じがするのです。
凝っていた部分のコリがほぐれ、体の中のくすみやよどみがとれて、お風呂あがりのようなさっぱりとした感じが持続しているようです。
そこで、今では新年の風邪は、新しい年を迎える体を準備するイベントとして、感謝しながら寝ています。
また、敏感で良い体と言われたことで、自分の体質を肯定的に捉えられるようになりました。
「風邪の効用」には、風邪を通して人間の心や体、ひいては生き方を深く見つめる真摯な姿勢がある本です。
皆さんも風邪にうんざりするのではなく、自分の身体の調整が行われていると見方を変えると、新たな気づきが得られるかもしれません。
風邪を引いたときに、試してみてはいかがでしょうか。
参考文献:野口晴哉著「風邪の効用」ちくま文庫
社団法人整体協会
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