企業が「自律した人材」を求めるのはなぜ?

こんにちは、コーチ・コンサルタント・カウンセラーの

MOMO(モモ)高橋澄子です。

 

 企業の経営者や人材育成の担当者とお話をすると、「社員がもっと自律して欲しい」「自律した社員に育てるにはどうすればよいか」という言葉が口癖のように聞かれます。

 

なぜ今、社員の自律が言われるのでしょうか。


今日は「自律した社員」が求められる理由について考えます。


自律とは何か

広辞苑で「自律」はこんな風に説明されています。

自分で自分の行動を規制すること。

外部からの制御から脱して、自分のたてた規範に従って行動すること。

なるほど、「自律」というときには

 

自分の行動を、

 

①自分の決めたこと・自分の判断に従って

②自分自身でコントロールしている

 

という2つの要素が満たされている必要がありそうです。

 

でも、組織では経営陣が決めた方針に従って、担当する仕事を遂行すればよかったのではないでしょうか。

右肩上がりの経済成長の時代には

 戦後の日本はバブルの崩壊まで、右肩上がりの経済成長を実現してきました。

 

市場には、商品・サービスが不足していて、企業にとっては作れば売れる幸せな時代でした。

 

この時代には、できるだけ早く安く大量に生産し、供給できる体制を作ることが一番重要でした。

 

 そこで企業ではどうやれば早く安く大量に供給できるのか、そのために「どんな仕事を」「どうやって行うか」を上層部が決め、社員は決められたことを、決められたとおりに行うことが推奨されました。

 

従業員は開発、生産、物流、販売など、それぞれの持ち場で、指示に従い熱心に業務に励んできました。

 

とにかく早く大量につくることで効率を上げ、安く供給することのできた企業が、消費者の支持を受け市場でシェアを拡大していきました。

 

飽和した市場、国際競争の時代へ

 国内に豊富な商品・サービスが存在するようになり、便利で豊かな生活が実現しました。

 

商品・サービスが普及すると、お客さまはより自分のニーズ(欲求)や好みを満足するものを求めるようになり、多様化・個性化の時代に入りました。

 

また、人口の増加が止まり、高齢化が進む中で、国内市場には商品があふれています。

 

そこで、成長を求めて海外の市場に出て行くことが必要となりました。

社員一人一人の役割の変化

 

 標準的なものを大量生産していた時代とは違って、お客さま個人個人のニーズ・好みに合う商品を、少しずつ多くの種類、提供することが必要となります。

 

そこで、消費者の求めるものが多様化・個性化してくると、お客さまに最も近いところにいる第一線の社員の情報が重要となります。

 

また、海外を含めた多くの競争相手に対して、早いスピードで遂行する必要があります。

 

そこで、企業の上層部が全ての方針や施策を決めて、それを従業員が一丸となって遂行する形ではなく、一人一人が情報を掴み自分の頭で考え遂行する、権限委譲型のマネジメントい変わらざるをえません。

 

一人一人が自分で考え、自分で動くことが不可欠になっているのです。

 


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