被災者の喪(悲哀)の仕事を邪魔する3つの誤った思い込み

喪の仕事

こんにちは、コーチ&コンサルタント&カウンセラーの

MOMO高橋澄子です。

大切なものを失った喪失感をうめる喪(悲哀)の仕事

 

の記事では、東日本大震災の被災者が喪の仕事(mourning work)を進めていく渦中にあることを知りました。

悲嘆の仕事(grief work)とも言われます。

今日は、被災者の喪の仕事を邪魔する、誤った思い込みや考え方を知っておきたいと思います。

 

喪の仕事を阻害する誤った思い込み

 

喪失の悲しみに浸るより、早く悲しみから脱して前向きになる方がよい

深い悲しみにくれている人を見ると、ついつい

「悲しいのは分かるけれど、元気を出して!」とか、

「辛いのは分かるけれど、明るく振る舞っていれば元気が出てくるから、がんばって前を向こうよ。

と励ましてしまうことはありませんか。

しかし、喪(悲嘆)の仕事で最も大切なのは「失った辛さや悲しみの感情を経験し尽くすこと」なのです。

善意からの励ましの言葉も、相手によっては「この人の前では安心して悲しめない。」「悲しむことは良くないことなのか。」というメッセージとして伝わります。

 

そして、喪失の辛さや悲しみから目をそむけるようになり、喪の仕事が滞ってしまうのです。

 

 

涙を見せるのは、弱い人間のすることだ

誰でも深い喪失を経験すると、辛さ悲しさのあまり涙が溢れてくるのは、とても自然なことです。

でも、涙を見せることは、悲しい感情を抑えきれない弱い人間である」という価値観や考えが泣くことをためらわせます。

 

泣いている自分に羞恥心や嫌悪感を感じ、号泣して感情を発散させることができません。

 

人前で感情的になることが良しとされない雰囲気の中では、喪の仕事は進まず喪失感を癒すことが難しくなります。

 

 

喪の仕事の目的は喪失の悲しみをケアすることで、失った事実や失った対象への愛着を忘れることではない

喪の仕事を進めていくと

・失った人を惜しむ気持ちが薄れてしまうのではないか
・愛していた人やものも、愛していたことも忘れてしまうのではないか

と恐れ、悲しみの渦中にとどまっていたいと思う方が居ます。

でも、それは大きな誤解です。

喪(悲哀)の仕事を通じて、辛さ、怒り、悲しみなどの感情に巻き込まれなくなり、安らかな気持ちで静かに悲しみ愛しむことができるようになるのです。

 

 

震災後からずっと、「前を向いて」「笑顔で」「明るく」「がんばろう」と被災者を励ます言葉が目立つのがとても気になっています。


私たちは、大切な人やものを失った方々が、辛さや悲しみと向き合うこと涙を流して思う存分泣くことを、心から認め静かに応援しませんか。


安心して涙を流すことを邪魔をしないようにそっと見守っていきましょう。

参考文献:古宮昇「心理療法入門」創元社

 

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